三姉弟が勇敢に 1話・2話 あらすじと感想

三姉弟が勇敢に


三姉弟が勇敢に 삼남매가 용감하게 Siblings 2022年放送 KBS 2TV新週末 全50話

hg@さらんさん

第1話視聴率20.5%

第1話あらすじ

カミキリムシ病院には今夜もサウナでやらかした迷惑な客が逃げ込んでくる。腸が破裂したと騒ぎ立てるその男に近寄る一人の女医キム・テジュ。警察とサウナに通報したと男に告げて背を向けたとたん、男はテジュに向かって、ゆで卵を投げつける。一つ、二つ、三つ。彼女に当たったゆで卵は砕けて床に散らばる。振り向いた彼女の表情は眉が高く吊り上がり、怒りを湛えている。「私は卵を投げられるのが大嫌いなの。」過去の苦い思い出がよみがえる。彼女は振り返りざま、男の投げる4つ目のゆで卵を手で受け止めると治療用カートごと男に体当たり。男はもちろんテジュも警察で事情を聞かれることに。しかし、彼女は後を振り返らない。白衣をゴミ箱に投げ捨て、やってられない職場にサヨナラする。

テジュが幼い頃、夫を突然の事故で亡くした母ユ・ジョンスクは寡婦となり、母子2人いつも食うや食わずの生活だった。そんなある日、母子はあるククス屋を訪れた。終業間際だったが、たいそう人が良い店の主人キム・ヘンボクは母子を快く迎え入れてくれた。いつも2人は一つのククスを分け合って食べ、いつしか常連に。そうして、クリスマスイブの夜、ヘンボクは店の残り物でジョンスクの好きなカレーを作った。

そうして、ヘンボクとジョンスクは互いを愛する仲になる。「コブ付きの女を嫁にだなんて、とんでもない!」ヘンボクの母チェ・マルスンは大反対。しかし、結局2人は結婚する。マルスンの意地悪に耐えに耐えて暮らしているジョンスクはマルスンの逆鱗に触れないように、テジュに勉強をさせ、ヘンボクとの間に生まれた妹弟にはテジュが持てるもの全てを譲って生きることを強要されてきたし、幼い頃はそうすべきだと思っていた。

テジュは地頭もよかったのが幸いして成績もよく、家でも学校でも勉強に励んだ。店の運営に忙しい両親と祖母の代わりに、妹弟の面倒は全てテジュが見た。そんなある日、妹ソリムを公園で遊ばせ、お使いに行って戻るとソリムの姿がない。折り悪く幼女誘拐事件が続き、世間が騒がしかった。テジュは生きた心地がせず、泣きながら探し続ける。転んで膝から血が出ようとも…。ボロボロになって戻って来たテジュを店の前で待っていた母がその頬を打った。「妹も満足に見れないのか」テジュの傷など眼中にもないように。

大騒ぎになっているとも知らず戻って来たソリムは、マルスンに連れられてご飯を食べて来たという。警察官が来ているのに驚いたマルスンは連絡をするのを忘れたと言い訳。幼い弟ゴヌはテジュを困らせたマルスンに食って掛かるが、そんなゴヌをごまかして連れて行ってしまう。残されたのはテジュを叩いてしまっても謝れないジョンスクと、力が抜けてむせび泣くテジュだけ。テジュを守ることもかばうこともできないジョンスク。かけられる言葉は「勉強ができれば、祖母は何も言えない。」とだけ。そして、ジョンスクの望みどおり、テジュは医大に進学する。

俳優イ・サンジュンは当時デビューとともに人気が急上昇、ミレニアム・ライジングスターともてはやされドラマに映画に引っ張りだこ。そんなある日、アクションの演技中に怪我をしてしまい、ロケ現場でもあったテジュの医大付属病院に入院する。そこでサンヒョンは偶然、初恋のテジュの姿を見かけて後を追いかける。テジュは人気のない場所で今まさに泣こうとしている途中。追い払われたサンヒョンはテジュが泣き終わるのをじっと待ち、話を聞いて慰める。亡き父の借金の為に働くサンヒョン。自分を押し殺して生きて来たテジュ。家族の為に生きている似た立場の2人。そして、2人は付き合い始める。

2人は時間をみつけては人目を忍んでデートを重ね、優しいサンジュンにテジュの心は癒された。揃いのブレスレットにお忍びデート、旅行を楽しむ。カメラが趣味のサンジュンはそんなデートの一瞬をカメラに収め、テジュに愛を誓った。しかし、楽しい時はいつまでも続かない。2人の付き合いがマスコミにすっぱ抜かれ、サンジュンのファンたちの激しい抗議行動が湧き上がる。テジュはファンたちに取り囲まれ「サンジュンと別れろ」と激しい恫喝と脅迫、そして、生卵をぶつけられ、小麦粉をかけられ、そして、また生卵。テジュはそのせいで大学を休学するまでに追い詰められる。当のサンジュンはなんの言い訳も釈明もしないまま、軍隊へ入隊してしまう。家族にまでなじられたテジュにはどこにも救いがなかった。

あれから、テジュは休学のせいでインターンを経験していないため、専門医にもなれず、どっちつかずのまま医者として働くが、くだんの件で病院をやめてしまう。家族の中でテジュを慰めてくれるのは名医と評判のいい整形外科医の弟ゴヌだけだ。優しいゴヌはいつもテジュの味方をしてくれる。一方、本来お気楽な妹ソリムはピラティス講師をしながら、テジュのマンションで同居中。幼い頃から身に付いた習慣からテジュの物は自分の物とばかり、服でもなんでもテジュが買ったものを先に着てしまうのは日常茶飯事。

そのソリムが結婚を前に顔合わせが行われたが、相手の家族は及び腰だ。なぜなら、息子にはまだマンションを準備する余裕がなかったためだ。すると、ジョンスクは当のテジュに断りもなく、テジュのマンションで新生活を始めたらどうかと言い出す。もちろんテジュは家を出ればいいと。テジュはどこまで自分が譲ればいいのかと頭に血が昇り、退席しようとする。それをジョンスクが必死で止めにかかり、テジュはジョンスクの話に耳を貸したように見せて席に戻る。ところが、その場でソリムに自分の家から出て行けと言い放つ。

会場を出てきてしまったテジュが一人ぽつんとバス停へ。そこにはサンジュンの写真展のポスターが張り巡らされている。そこにはなんと自分と撮った思い出のツーショット写真が…。一方、移動中のサンヒョンは車の中からバス停のポスターをじっと眺めるおばさん(テジュ)の後姿を見かけ、自分の人気はまだまだだと大喜び。ところが、テジュは突然サンジュンのポスターをびりびりに破き始め、サンジュンはあまりの出来事に車から飛び出して…。

第1話感想

K-長女、K-長男とは何か、ご存知でしょうか? 韓国ドラマが大好きな方々ならば「ああ!」とすぐわかっていただけるはず。「???」と思った方でも説明を聞けば、すぐわかっていただけると思います。K-pop、K-フード、K-ドラマなどのKoria(韓国)の独特な文化のことを指す冠詞として「K-」が使われています。

つまりK-長女、K-長男は韓国独特の文化の一つと言えますが、決して良い意味で使われていないのです。K-長女は本人の意思とは限らず、いつも自分より家族のために働き、家族の為に犠牲になる役割。それが当り前として回りも認識しているところに問題があります。K-長男は長女とは少し趣が異なりますが、幼くしては長女に尽くされる存在であり、大人になれば家族を養っていかなければならない責務を負います。

このドラマはそんなK-長女、K-長男の見本のようなテジュとサンジュンの奥妙な人生史を通じて、家族の本当の意味と愛を感じられるよう、疲れた人生に慰めを伝える時間にしたいという制作意図があるとのこと。2人が本当の幸せを勝ち取ることができるのか。見守りたいと思います。

第2話視聴率22.1%

第2話あらすじ

バス停のポスターを破り始めた人物(テジュ)を見て、思わず車から飛び出したサンジュン。しかし、そこは三車線道路の真ん中。驚いたマネージャー・ワン・スングはサンジュンを慌てて車内に押し込む。車はそのまま発進して走り去るが、なおも興奮状態のサンジュン。一方、テジュは夢中でポスターを破る最中、スマホで撮影してくる子供に気づき、逃げるようにバスに乗り込む。

サンジュンはマンションの2階に住み、同じく1階にセランと妹サンミンが暮らす。その1階ではセランが写真展の会場に飾る花束をせっせと手作り中。セランがファンがくれた花束に偽装しているようでおかしいと茶化すサンミン。サンジュンも40歳に近づけば、主役はもちろん父親役としても微妙な年齢。今回も映画の主役を逃したと聞いて、痛快そうな笑みを浮かべる。天真爛漫な笑顔の奥に皮肉屋が隠れ住んでいる。

サンジュンはというと、近日出版予定の自身の本をチェック中、テジュと撮った写真を見る目に微笑みが浮かぶ。そんな時、例によって上階の物音が気になりだす。場所を変えても変えても追って来るような騒音。騒音撃退スピーカーが欲しいと切に思うが、如何せん有名人なだけに何かあればすぐにネチズンたちに報復されてしまうとサンミンにいなされる。

テジュは家で親友で元看護士のホ・ヨンシルに点滴をしてもらい、互いに長女は解放されるべきだと語り合い、トッポッキを食べて元気を出す。そんな時、ここでもまた2階の住人の騒音が。テジュは点滴を引きずりながら竹刀で天井をつつき回り、ヨンシルは騒音撃退スピーカーを大音量で天井に向ける。2人が騒音撃退に夢中になっている、まさにその時、やって来たテジュの家族たち。

ソリムは婚約者ナムスの家族に顔向けできないと嘆き、ゴヌはジョンスクがテジュの家を新居にと提案したことが悪いとテジュの肩を持つ。家を奪う訳ではないし、姉のくせに情けないとこぼすジョンスクに、思わず本音が出るテジュ。「これからは自分の思う通りに生きる。」と宣言。部屋に閉じこもったテジュにさらに追いすがろうとするジョンスクを止め、ヘンボクはソリムを連れて一旦家に帰ることにする。

ソリムはテジュの部屋に飛び込んで、ベッドにいるテジュに飛びかかる。「お姉さんのせいだ。」それにはソリムなりの理由が。テジュがサンジュンとのスキャンダルで苦しんでいた時、高校生だったソリムにも火の粉が降りかかった。学校でいちゃもんをつけて来たサンジュンの妹イ・サンミンと喧嘩になり、言葉だけでやり過ごそうとしたソリムも「父親が違う姉」「母親は再婚」と言われたことには我慢できなかった。結果、停学を食らったせいでいい大学に進めなかったという訳がある。そんなソリムを抱きかかえて連れて行くゴヌ。ソリムはいつまでも叫び続ける。

サンジュンの元に届いたファンからのプレゼント。大きな箱の中身はなんとタキシード。服の間から出て来た紙の束に、切り抜きで描かれた文字。「私と結婚する時に着て。」「他の女と付き合ったらあなたは死ぬ。」そして、血塗られた包丁の写真…。またストーカーが現れたのかとショックを受けるセラン。時同じくして、テジュがポスターを破っている写真が届き、セランはテジュに似ていると指摘する。そんなはずはないと否定しながら、サンジュンは相変わらずテジュが気になる。

テジュとヨンシルはある企画を準備していた。過去の経験から医療ドキュメンタリーの原案。今、無職の2人には迫りくる家賃や借入金、公共料金の支払い、家族への仕送り。あの人に連絡してみて、ヨンシルの言葉に一旦は首を横に振るものの、決心してメールを送るテジュ。あの人とは…?テジュがカミキリムシ病院で騒動を起こした時に出会ったテレビ番組の制作会社代表チャ・ユノ。「こんな病院を辞めたら」と言いながら、医療関係の番組を一緒に作らないかとテジュを誘って来た人。すぐに会うことになり、2人の企画案はすぐに採用されることに。

セランの母ヤン・ガップンは、ソウルで他人に間貸し中の家をアメリカにいる息子の為、契約延長して保証金を全て送ってしまう。ところが、ファッションコンテンツを制作するチャン・ヒョジョン(セランの妹)と一緒に暮らす現在の家を出なければいけなくなり、セランの家に身を寄せることに。セランは兄たちの為に犠牲になって生きて来たと自覚があり、ガップンとの関係はよくない。ヒョジョンは2人の間に入り、家事は自分たちが家事をして家賃も支払うとセランを説得する。サンジュンはヒョジョンたちの事情を知り、再び養う人間が増えて気が滅入る。ソングは彼らにお金を渡すなと言うが、どだい無理な話。

うどん屋改めカレーの美味しい店「オヌル・カレー」として、有名になっていたヘンボクの店。店の休日に遊びに来たゴヌの彼女ミン・ユリ。裕福な家庭で生まれ育ち、おっとりしていて優しく、それだけで嫁候補として満足なマルスン。しかし、ソリムの縁談をぶち壊し、長幼の序を持ち出し、結婚に待ったをかけたテジュには、いつにも増して厳しく、子持ちで50前の男性を結婚相手を押し付けようと考える。ヘンボクはそんな相手ならサンジュンの方がいいと思うが、ジョンスクは反対だ。

そんな時、テジュの家に花を届けに来たと現れた男性。マルスンから紹介された見合い相手。話を聞いたテジュはいきり立つヨンシルを抑えて、やんわりと断ろうとする。しかし、拒否された男性はサンジュンとの過去を持ち出しテジュの神経を逆なでする。そう言えば、あの後付き合ったどの男性もそうだった。常にサンジュンとの関係を探ろうとしたし、比較しようとした。どこに行ってもあの過去がまとわりついて離れなかったのだ。ヤケ酒をあおった帰り道、またしてもテジュはサンジュンのポスターを破り捨てる。

テレビ局で打ち合わせを終えたテジュはサンジュンとニアミス。ヨンシルは苦々しい表情で卵を持っていないのを悔しがる。サンジュンのそばにいたソングはテジュとしばし目が合い、サンジュンに報告。それを聞くなり身を乗り出して興味を見せるサンジュン。一方、サンジュンがテレビ番組で自分たちの過去を美しい思い出と語り、どうにも我慢ならなくなったテジュ。

サンジュンの写真集のサイン会が行われる書店。黒ずくめ、黒マスク姿のテジュの姿があった。テジュはサインを待つ人々の列に並び、その時を待つ。そして、サンジュンの前に差し出した本の中には、赤いマジックで「お前は」思わずこちらを見返すサンジュンの目の前で自ら本をめくる。「死ね。」ストーカーの件で警備が厳重になっていた会場では即刻警備員がテジュを取り押さえる。

サンジュンが拘束を解かせ「久しぶり」と声を掛けるやいなや、テジュに頬を叩かれる。再びテジュを取り押さえる警備員。しかし、突然スタンガンを持った女が後ろから警備員を攻撃。倒れる警備員と共倒れになるテジュ。女はさらにもう一人の警備員も気絶させ、サンジュンに迫る。この女がストーカー…。女がそのくちびるをサンジュンのそれに重ねようとした瞬間、女をぶっ飛ばしたのはなんとテジュだった…。

第2話感想

主人公のキム・テジュ役のイ・ハナは現在40歳。2005年、KTF「傘」編のCMで芸能界デビュー。テレビドラマには2006年「恋愛時代」ユ・ジホ役で、映画には2007年チョン・ユンス監督「食客」のヒロイン、ジンス役でデビューしました。優れた声と歌手に劣らない歌の実力の持ち主で、ドラマ「メリー&テグ~恋のから騒ぎ~」で歌手志望生を熱演しました。

近年では、ドラマ「ボイス」4シリーズを通して出演し、主人公ボイスプロファイラーのカン・グォンジュを演じています。大変人気なハラハラドキドキするミステリー刑事ドラマで、あまりシリーズが作られない韓国ではレジェンドドラマとも言われています。日本でも真木よう子、唐沢寿明主演でリメイクされました。

お父さんが歌手で作曲家であり、本人も大学の音楽科を卒業していることもあって、歌手活動もされているようです。YouTubeなどにはライブ画像も上がっているそうなので、気になる方は検索してみてはいかがでしょうか。それにしても、彼女は身長が173センチもあるということで、モデルでも活躍できそうですよね。




【放送情報】

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