韓ドラの鬼

ホームタウン 11話・12話 (最終回) あらすじと感想



ホームタウン  홈타운 2021年放送 全12話

第11話視聴率1.163%

neroさん

第11話あらすじ

1985年、ハンカジョク福祉院での虐待が明らかとなり、治安本部で激しい拷問を受ける男。皆が部屋を出た後、1人残ったチェ・ヒョンイン(ユ・ジェミョン)に、男は「水を…くれませんか…?」と声を掛けます。水を飲ませてくれたヒョンインを命の恩人だと話す男。名前を聞かれ、「チェ・ヒョンインだ。」と答えたヒョンインに、男は「私の名前はチョ・ギョンホです。チョ・ギョンホです。」と何度も繰り返します。

これ以上は無理だと感じ、治安本部を去ることに決めたヒョンイン。その日、帰宅途中に事故に遭ったヒョンインは、すべての記憶を失くしてしまうのでした。

記憶が戻ったヒョンインに、チョ・ジェヨン(イ・レ)は頼みがあると言います。父チョ・ギョンホ(オム・テグ)から、母親について知りたければ、彼女の故郷であるサジュ市へ行けと言われ、家族の反対を押し切ってサジュ市へ引っ越してきたというジェヨン。ヒョンインの協力によって、ジェヨンは放送部の友人たちと再会を果たします。

ジェヨンと祖母、そして放送部の少女たちを自宅で保護することにしたヒョンイン。その日、ヒョンインは妻イム・セユン(キム・セビョク)にプロポーズした時の夢を見ます。幸せに包まれる2人。しかし、幸せな時間はそう長くは続きませんでした。悪夢にうなされ目を覚ましたヒョンインを心配し、温かい飲み物を差し出すジェヨン。するとジェヨンは、妻を殺したチョ・ギョンホの娘である自分のことを、どう思っているかと質問します。チョ・ギョンホを選んだ妻の選択を自分にどうこういう資格はないとし、ジェヨンに対しても悪い感情はないと話すヒョンイン。

その頃、治療所を脱走したチョ・ギョンホは、ヒョンインとセユンの思い出の場所へ行き、壁に例の赤い模様を描き残します。

ジェヨンの代わりに自ら後継者となり、ヨンジン教のアジトへやってきたチョ・ジョンヒョン(ハン・イェリ)。しかし、突然現れたジョンヒョンを後継者として認める者はおらず。そんななか、修行の部屋と呼ばれる部屋を見たジョンヒョンは、天井からぶら下がるロープに火を付けます。そして、燃え上がるロープを素手で掴み、引きちぎるジョンヒョン。「紐が自ら切れるのを待つんじゃない。切れない紐なんてない…それを証明したかったの。」

ヨンジン教の信者は、皆テロ事件で家族や愛する人を失った者たちでした。それを知ったジョンヒョンは、彼らから目を背けるのではなく、彼らの悲しみに寄り添い、代わりに謝罪することを選びます。

ジェヨンと一緒に、校誌に掲載された七不思議の名所を巡るヒョンイン。最後に2人が訪れたのは、ヒョンインがプロポーズをした妻セユンの母校でした。そのどれもが、セユンに関連のある場所だと気付くヒョンイン。地下室へ向かったヒョンインは、壁に書かれたチョ・ギョンホからのメッセージを発見。

一方、育ての母チョ・ギョンスク(パク・ミヒョン)のもとへ向かったチョ・ギョンホは、彼女が既に例のビデオを見たと知り動揺します。ビデオを見たものは、必ず死ぬ。その言葉通り、催眠にかかったギョンスクはギョンホに向けて包丁を突き刺そうとします。そんなギョンスクを止め、「逃げてくれ。そして、俺が見たことが間違っていたと証明してくれ」と話すギョンホ。

結局、ギョンスクは死亡し、ギョンホはビデオテープを渡したのがイム・イングァン(チェ・グァンイル)だと考えます。その後、ヒョンインの家に入ったギョンホは、「すべの準備が整った、家に戻る時間だ。」と呟きます。

第11話感想

チョ・ギョンホが最後に向かった場所は、ヒョンインの自宅でした。第11話のラストに登場した、チョ・ギョンホの意味深な発言。「家に戻ればきっとわかるだろう。チョ・ジェヨンが誰なのか。そして、自分自身が何なのか。」この発言から見ると、チョ・ジェヨンはチョ・ギョンホの娘ではなく、実はヒョンインの娘!?

ヒョンインの妻セユンは、子供を流産し、そのショックでヒョンインのもとを離れて行ったと言っていました。その間にチョ・ギョンホとの間に出来た子供がジェヨンだと思っていましたが、もしセユンがヒョンインとの子供を産んだと考えれば、話は通じます。さらに、どうしてもセユンがヒョンインを裏切ったとは考えにくい。だとすれば、セユンとチョ・ギョンホの間に何かしらの事情があり、2人の子供としてジェヨンを産んだ可能性が高いのでは、と思いました。

さらに冒頭で登場した拷問シーンは、他でもないチョ・ギョンホの養父に向けたものでした。すべての黒幕はイム・イングァンだというのに、彼は何の罪もないチョ・ギョンホに罪を着せ、その場を逃れます。結局、一番の悪はイム・イングァンなのではないでしょうか。

次回はいよいよ最終回。すべての謎が解き明かされ、スッキリとしたエンディングを期待したいです!

第12話視聴率1.520%

neroさん

第12話 (最終回)あらすじ

ヨンジン教のアジトでは浄化の日の準備がすすめられ、代理者のチョン・ヨンソプ(イ・へウン)はグルがじきここに来ると明かします。彼らが言う浄化の日とは、いわゆる集団自殺のこと。それを知ったチェ・ジョンヒョンは、信者らを奮い立たせ、自分たちは生きると宣言します。そこへ、ガスマスクを装着した数名の男たちが。

葬儀場に現れたイングァンを見て、憤りをあらわにするヒョンイン。そんなヒョンインに、イングァンはグルの伝言を伝えます。叔母ジョンヒョンが危険だと聞き、冷静さを失うジェヨン。ヒョンインは罠かもしれないと話しますが、ジェヨンの心は変わらず。結局、ジェヨンはイングァンに連れられ、ジョンヒョンのもとへ。

一方、家でグルが待っていると聞いたヒョンインは、自宅へ戻ります。そこでヒョンインを待っていたのは、チョ・ギョンホ。するとギョンホは、ヒョンインの妻セユンが残した最後の手紙と、拳銃を差し出します。手紙に書かれていたのは、ジェヨンがギョンホではなく、ヒョンインとセユンの子供だったこと。そして、ジェヨンを守る為にヒョンインのもとを離れ、ギョンホにジェヨンを預けたことが書かれていました。最後まで自分を思いやる妻の本心を知り、絶叫するヒョンイン。ギョンホに殴り掛かるヒョンインでしたが、次の瞬間、またしても幻覚が見え始めます。実はヒョンインと初めて会った時、他の人々と同様、催眠をかけていたと話すギョンホ。

イングァンに連れられジェヨンがやってきたのは、例の修行の部屋でした。誰もいない空っぽの部屋を見て、それが罠だったと気付くジェヨン。男たちに捕まったジェヨンは、体中に灯油をまかれます。最初から代理者を名乗るヨンソプらを殺し、ヨンジン教を乗っ取ろうと企んでいたイングァン。そんななか、複数の銃声が館内に響きます。

イングァンが送り込んだ男たちの中には、死んだヨンテクの部下テジの姿が。ヨンテクを殺したのがヨンソプだと聞いたテジは、男たちを次々に打ち殺し、最後にヨンソプへ銃を向けます。何のことか見当もつかないヨンソプでしたが、結局テジの放った銃弾によって即死。

ギョンホの催眠にかかった以上、愛する者を殺し、自らも死ぬ運命に置かれてしまったヒョンイン。ヒョンインの愛する者とは、セユンとの間に生まれた我が子、ジェヨンを指します。ただ1つ、運命から逃れる方法があるとギョンホ。それは、以前ジョンヒョンがそうしたように、すべての記憶を消し去るというものでした。カメラを向けられたヒョンインは、「チョ・ジェヨン、あの子が俺の子供だという事実を俺は…決して忘れたくない。」と言って、ギョンホの足元に向かって発砲。驚きと痛みに顔をしかめるギョンホ。さらにヒョンインは銃をまっすぐに構え、その場でギョンホを殺害します。

ギョンホが持っていた携帯電話を手に取ると、イングァンに電話を掛けるヒョンイン。電話に出たジェヨンは、ヒョンインが無事だと聞いて安心します。一方、電話の相手がグルではなく、ヒョンインだと知ったイングァンは愕然。その後、娘セユンの幻覚が見え始めたイングァンは、窓から飛び降り、死亡します。残されたジェヨンとジョンヒョン。しかし、人々を救う為に1人で毒薬を飲んだジョンヒョンは、その場で血を吐いて倒れてしまいます。

それから6か月後、何とか一命を取り留めたジョンヒョンは、ジェヨンを連れて車を走らせます。2人が向かった先は、ヒョンインが収容される刑務所。未だにチョ・ギョンホの催眠に苦しむヒョンイン。そんなヒョンインに、ジョンヒョンはジェヨンの為にも生きて欲しいと伝えます。

第12話(最終回 )感想

やはりジェヨンの本当の父親は、ギョンホではなくヒョンインだった!

妻セユンが残した最後の手紙に書かれていたのは、ヒョンインに向けた変わらぬ愛情と、娘ジェヨンに関する真実でした。手紙には、ギョンホから逃れることが出来なかったという内容が。やはりセユンは、夫ヒョンインを裏切ったわけではなかったようです。

さらにセユンを殺害したのは、何と実父イングァンでした。恐らくギョンホによって記憶を消されたイングァンが、彼女があの日、テロ現場にいたと証言したことにより、記録が改ざんされたのだと思われます。父親の悪行を知ったセユンは、父に自首を勧めます。しかし、カッとなった衝動でセユンを殺してしまったイングァン。以後、イングァンはギョンホの催眠によってコマとして使われていたのです。

ギョンホがテロ事件を起こした理由は、ハンカジョク福祉院での悲惨な行為の数々を知りながらも、見て見ぬふりをした人々へ復讐する為。さらに自分に良くしてくれた養父を死に追いやったヒョンインに対しても、大きな怒りを抱いていたようです。実際はヒョンインは養父の拷問には批判的で、唯一人間として扱った人物なのですが…。どこで間違ってしまったのか。

このドラマが総じて視聴者に届けようとしたメッセージは、人は簡単に忘れてしまう生き物だということ。しかし、罪を忘れて生きることは決して許されないし、罪を犯したのなら、それ相応の報いを受けるべきだというものではないでしょうか。

福祉院やそれ以前のギョンホの人生に、もっと早く誰かが手を差し伸べていれば。こんな悲しい事件は起こらなかったのでは。。最終回を迎えてもなお、様々な余韻が残るドラマです。

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