豚の王 11話・12話(最終回) あらすじと感想

豚の王


豚の王 돼지의 왕 The King of Pigs 2022年 TVING 全12話

neroさん

第11話あらすじ

ジョンソクのもとへ向かう前、チョルはギョンミンを訪ねていました。何とか公開自殺を思いとどまって欲しいと頼むギョンミンに、チョルはいつも持ち歩いていた野球ボールをプレゼントします。去り際に3人で撮った写真を焼き増しして欲しいとチョルに言われ、チョルが公開自殺を思いとどまったと考えるギョンミン。

その後、ジョンソクのもとへ向かったチョルは、本当に自殺するのではなく、ショーをすることにした計画の変更を伝えます。そんなチョルに、ギョンミンはそのことを知っているのかと尋ねるジョンソク。するとチョルは、ギョンミンは知らないと首を振ります。

またしても目の前に現れたチョルの幻に向かって、銃を向けるジョンソク。「お前は死なないといけない。お前は死んで、あいつらの呪いをかけるんだ」ゆっくりと歩き出すチョルを追ってジョンソクが辿り着いたのは、シンソク中学校でした。

翌日、変死体で見つかったパク・チャンヨンが、実は闇サイトを運営するドッグパクだったとニュースで報じられ、大きな話題となります。パク・チャンヨンの実態が公になると、世間からは彼を殺した犯人を擁護する声が。

その頃、ギョンミンは死んだ妻パク・ミンジュの墓参りへ。実は自宅で偶然、ギョンミンがチョルの幻と会話する場面を目撃していたミンジュ。そこでギョンミンが人を殺したことを知ったミンジュは、これ以上ギョンミンが犯罪に手を染めるのを防ぐ為、無理心中をはかったのです。結局、睡眠薬が効かなかったギョンミンは一命を取り留めることに…。ミンジュの墓前に向かって、「ごめん、もうじき終わるから。後は最後の友達だけが残った」と声をかけるギョンミン。

一方、警察は今回の事件を連続殺人事件とし、ジョンソク率いる担当チームを解消、新たに対策本部を立ち上げます。大々的な捜査が始まるなか、ギョンミンはチョルの母親を訪ねていました。ギョンミンが持参した大金の入ったカバンを見て、茫然とするチョルの母。チョルの実家を後にしたギョンミンは、その足で警察署へ向かいます。

署では今回の連続殺人事件に関するブリーフィングが行われ、大勢の記者が集まっていました。記者から被害者と容疑者の関係について聞かれ、思わず口をにごす警察幹部。するとその瞬間、会場に現れたギョンミンが自分とパク・チャンヨンは中学時代の同級生で、イジメの被害者と加害者だったと公表。その姿を目にしたジョンソクは、記者たちをかき分けてギョンミンの前へ。するとギョンミンは、自分がここに来た理由を「あの日の真実を明らかにするため」と語ります。

取調室でギョンミンと2人きりになったジョンソクは、外部へ音声が漏れないよう、マイクの電源を切ります。そんなジョンソクに、あの日屋上で、ジョンソクがチョルを突き落すのを見たと話すギョンミン。これには動揺を隠せないジョンソクでしたが、そこへ今度はジナが現れます。ジナはギョンミンのアジトで見つけた手記を差し出し、さらにチョルの遺書が偽物であったことを指摘。大人しく過去の罪を認めるよう促すジナでしたが、ジョンソクはそれを拒否します。その後、ギョンミンが遺体を山中へ埋めたと話し、ギョンミンを連れて現場へ向かう必要があると同僚たちに嘘をつくジョンソク。

銃を手にしたジョンソクは、後部座席にギョンミンを乗せ、山へ向かいます。そんな2人を乗せた車の背後に現れた、パク所長の車。激しいカーチェイスの末、ジョンソクはわざとハンドルを切って自ら車を崖下へ転落させます。予め開けておいた窓から脱出するジョンソク。一方ギョンミンは、手錠がかけられたままで身動きが取れず…。

第11話感想

追い込まれたジョンソクは、事故に見せかけてギョンミンを殺そうとします!

署を出る前、パク所長に連絡を入れたのは他でもないジョンソクでした。恐らくジョンソクは、ギョンミンを助けようと現れたパク所長によって事故が起き、あえなくギョンミンを死なせてしまったことにしようと考えたようです。ギョンミンさえいなければ、自分がチョルを殺したという決定的な証拠がなくなるから。

それにしても、何がジョンソクをここまで追い込んでしまったのか。もとはといえば、執拗なイジメを繰り返したクラスメイトらに原因がありますよね。だからといって、皆を黙らせる為に唯一自分たちを救ってくれた友達を殺すなんて。。あまりにも酷い結末だなと思いました。ギョンミンが精神を病んでまで今回の事件を起こしたのも、なんだか理解出来るような気がします。

一方、真実を知り、必死にジョンソクを止めようとするジナ。果たしてジナは、真相を明らかにすることができるのでしょうか。

ギョンミンの自白という展開には驚きましたが、後半は何とかジョンソクの罪を暴いて欲しい!と、ギョンミンを応援するように。。ここまで犯罪者を擁護したくなるドラマも珍しいと思いました。それほどまでに加害者たちの行動が残酷だったし、誰一人として異議を唱えようとしないクラス全体の責任だと感じました。

次回はいよいよ最終回。どんなラストが待っているのか、興味深々です。

第12話(最終回)あらすじ

崖下へ転落した車の中から、1人脱出したジョンソク。そんなジョンソクの上着ポケットから手錠のカギを奪ったパク所長は、自ら水の中へ。その後、何とかギョンミンを救出したパク所長は、後部座席にギョンミンを乗せて車を走らせます。遅れてギョンミンが助かったことに気付いたジョンソクは、慌ててその後を追い…。

一方、防犯カメラの映像から、ジョンソクがわざと崖の方へハンドルを切ったと知るジナ。ジョンソクがギョンミンを殺そうとしていると考え、ジナはジョンソクの行方を追うことに。

その頃、ギョンミンがかつてイジメの被害者であったことが公になり、世間からはギョンミンを応援する声が相次ぎます。そんななか、キム・ジョンビン記者のもとへギョンミンから電話が。ギョンミンに言われた通り、過去のいじめに関する暴露記事を送信するジョンビン。これを受けて、今度はネット上で加害者たちの情報が次々と公開されます。記事を目にしたジナは、ギョンミンの手記には登場しなかった名前がいくつかあるのを発見。

ギョンミンと別れたパク所長は、アジトに灯油を撒き、ライターで火をつけます。同じ頃、当時の担任であったチェ・ソクキを待ち伏せしたギョンミンは、その首元に注射を刺し、眠りについたソクキをシンソク中学校へ運びます。ふたたびソクキが目を覚ました時、その身体は車椅子に固定され、両方の手首から次々と血が。恐怖に顔をゆがめるソクキに向かって、「大丈夫、すぐには死なない。切ったのは静脈だけだ」とギョンミン。

パク所長を脅してギョンミンの居場所を突きとめたジョンソクは、自らも中学校へ向かいます。しばらくして、同じく中学校へ集まった2年5組の同級生たち。実は少し前に、ギョンミンは同級生たちに学校へ集まるようにとメールを送っていたのです。

教室で顔を合わせたギョンミンとジョンソク。するとジョンソクは、1年前に実家で一体何を見たのかと尋ねます。すると「チョルが笑っていたんだ、俺は初めてチョルのあんな笑顔を見た。」とギョンミン。実はチョルが公開自殺をすると言った日、ギョンミンはなぜカメラの前で笑顔を見せたのかと聞いていました。チョルの答えは、それがジョンソクとギョンミンの記憶に残る、最後の自分の姿になって欲しいと思ったからだといいます。

その後、チョルの幻につづいて教室を後にするギョンミン。同じくその後を追いかけたジョンソクは、屋上。扉を開けるとそこには、チョルの幻が立っていました。「どうしてここに来たんだ?下で声を出して欲しいって言ったじゃないか。」チョルの幻を見た瞬間、ジョンソクはその幻に向かって引き金を引きます。しかし、すでに銃弾は切れており…。

ジョンソクに屋上から校庭を見るように告げたギョンミンは、この中の誰か1人でも声を上げてくれれば、こんな悲劇は起こらなかったのにと話します。そんなギョンミンに掴みかかり、「俺がどんな想いでここまで来たと思っているんだ!」と憤りをぶつけるジョンソク。するとギョンミンはジョンソクの手に手錠をかけ、それを自分の手と繋ぎます。

20年前、チョルがしようと思っていた公開自殺を今ここでしようと言い、自ら屋上から飛び降りるギョンミン。ジョンソクは何とか持ちこたえようとしますが、そんなジョンソクに向かって「ジョンソク、一緒にチョルに会いに行こう」とギョンミンは言います。次の瞬間、何かを諦めたかのように自らも屋上から身を投げるジョンソク…。

第12話(最終回)感想

結局、イジメの被害者であったギョンミンとジョンソクの死で幕を下ろした最終話。

ジョンソクにはチョルを殺した罪を償って欲しかったのですが、自殺という形で終わって、ちょっと残念でした。さらにジョンソクの死は、犯人追跡中の殉職として処理されることに。唯一の目撃者であるギョンミンが死亡したことで、20年前の真実を明かすことは不可能になってしまったようです。

なんとも後味が悪いラスト。。それでも、すべてを明らかにするというギョンミンの目的は、ある程度達成されたのではないでしょうか。

最後にジナからギョンミンの手記を渡されたチョルの母親が、手記に書かれた内容を読んで嗚咽するシーンがありました。20年の月日が経って明かされた息子の死の真実。母親にとっては、なんとも受け入れがたい真実だったんじゃないかなと、胸が痛くなりました。

第1話を見た時は、ただの猟奇殺人?サイコパス?といった印象でしたが、こんなラストが待っているとは想像もつきませんでした。とくに、演技者それぞれの演技力が非常に高いと感じた作品。視聴中、ジョンソク役のキム・ソンギュ俳優の鬼気迫る演技に、何度も圧倒されました。また主演のキム・ドンウク俳優も、これまでの柔らかい雰囲気から一転、残酷に人を殺していく連続殺人犯を見事に演じ切っていました。次回作にも期待が持てそうです!

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