未成年裁判 9話・10話(最終回) あらすじと感想

未成年裁判


未成年裁判 2022年放送 全10話 Netflixオリジナル

neroさん

第9話あらすじ

病院のベッドで目を覚ましたウンソク。医師の話によると、栄養不良や睡眠不足、過度なストレスによるいわゆるバーンアウト状態だといいます。医師から数日の入院が必要と言われますが、ウンソクは無理矢理帰宅します。翌朝、テジュが出勤すると、すでにウンソクの姿がありました。

工事現場の一角で倒れているところを発見された少女。少女は数名の少年らに無理矢理酒を飲まされ、強姦されたといいます。発覚当時、現場にいたのは3名だったと話していた少女でしたが、その後の供述ではもう1人いたような気がすると証言。被害者の供述があいまいなことから、ひとまず最初に名前の挙がった3名が起訴されたとのこと。事件後の検査で、被害者の体内から加害者2名のDNAが検出。残るファン・インジュンに関しては物的証拠がなく、本人も犯行を否認している状況だといいます。

ソ・ドンギュンとオ・ギョンスの件はテジュが、そしてファン・インジュンはウンソクが担当することに。部長室を後にしたテジュは、ウンソクに緊急時に連絡すべき家族や兄弟はいるかと尋ねます。昨夜病院に運ばれた際、誰に連絡していいものか困ったと話すテジュ。そんなテジュに、ウンソクは「家族はいない。私が捨てたから」と一言。

集団暴行事件の裁判が開かれると、事件の深刻さを再認識したグニは、主審をテジュからウンソクに変更するのはどうかと提案します。代わりにファン・インジュンの件をテジュに回すと話すグニに、納得がいかないウンソク。両方できるとウンソクは言いますが、グニはそれを許しません。

資料に目を通したテジュは、5年前にファン・インジュンが人を殺した事実を発見。ウンソクが今回の事件に執着する理由が、5年前の事件によるものだと知ったテジュは、「もしかするとそれは僕たちの偏見かもしれません。僕たちはあらゆる可能性を考える必要があります。」と言います。

そんなテジュに、ウンソクは被害者の父親が録音したファン・インジュンの証言内容を聞かせます。いくら証拠能力がないと言っても、わざわざ犯行を自供したファン・インジュンに理解ができないテジュ。するとウンソクは、5年前のあの時、法廷できちんとした処分を下すべきだったと語ります。

翌日、エレベーターで顔を合わせたグニは、なぜそこまでこだわるのかと質問。非行少年を心から憎んでいるからと答えるウンソクに、だったら見せてみろとグニは言います。その後、来客の知らせを聞いてウンソクがロビーへ向かうと、そこに立っていたのはウンソクの元夫イファンでした。イファンはウンソクがファン・インジュンの事件を担当することに反対しますが、まったく聞く耳を持とうとしないウンソク。

実は5年前、ファン・インジュンがビルの屋上から落としたレンガにあたって命を落としたのは、他でもないウンソクとイファンの子供だったのです。しかし、触法少年による犯行ということで裁判所が下した判決は、ウンソクにとって到底受け入れられないものでした。

ファン・インジュンを法廷に呼んで審理が行われると、本当に犯行に加担しなかったのかと尋ねるウンソク。否認をつづけるファン・インジュンに向かって、ウンソクは警察が押収した現場周辺のドライブレコーダーの映像を見せます。そこには、他の2人と一緒に工事現場から出てくるファン・インジュンの姿が。

法廷を後にしたウンソクのもとへ、テジュが駆け付けます。テジュはもしかすると、被害者の供述は正しかったかもしれないと言い、暴行に加わっていたのがもう1人いるようだと伝えます。その人物とは、かつてファン・インジュンと共に屋上からレンガを落とした少年…。

第9話感想

次々と明らかになるウンソクの過去!

やはりウンソクもまた、少年犯罪によって愛する息子を奪われた遺族の1人でした。そして、度々ウンソクのアパートに顔を見せた男性は、ウンソクの別れた夫イファンだと明らかに。5年前の悲劇をきっかけに、ウンソクとイファンは離婚。第9話のラストには、イファンの母親が裁判所に殴り込みに来るシーンが登場しました。

イファンの母はいまもなお、5年前に孫が命を落としたのはウンソクのせいだと考えているようです。あれだけ仕事をやめて家庭に入るように言っていたのに、判事を続けた挙句、レンガに当たって死んだとまくし立てるイファン母。本当に辛いのは母親のウンソクなのに、この言い方はあんまりだと思いました。その後、騒ぎを知ったイファンがウンソクに謝りに来ますが、もちろん受け入れることができないウンソク。

ついにウンソクの過去が明らかとなり、さらに今も犯行を繰り返す少年たちの姿が。5年前、事件を起こした少年らに保護処分を言い渡したのは、現在ウンソクの上司であるグニ。だからウンソクは、初めてグニを見た時の驚きの表情を浮かべていたんですね。果たして次回、最終話でどんな展開が待っているのか。最後まで一瞬たりとも目が離せません!

第10話あらすじ

グニが裁判所へ出勤すると、ウンソクを担当判事から外すように書かれた通知が。慌てて資料に目を通したグニは、5年前にファン・インジュンらが落としたレンガで命を落としたのが、ウンソクの息子だと知ることになります。

ウンソクを呼び出し、一連の行動に対して激しく非難するグニ。するとウンソクは、5年前にグニが下した判決のせいで、少年らが法律も大したことないと学んだのだと話します。実はあの日、ウンソクは判決を受けた少年たちが笑顔で法廷を後にするのを目撃していました。その後、グニはウンソクに今回の事件からは外れるようにと言い渡します。

部長室から出たウンソクを待っていたのは、被害に遭った少女でした。ウンソクの前で、なぜ自分だけこんな目に遭うのかと嘆く少女。部屋に戻ったウンソクは、昨日言っていたペク・ドヒョンの件を詳しく話して欲しいとテジュに言います。しかし、すでにウンソクの手を離れた事件だとテジュ。

ウンソクがただ真実を知りたいだけだと知ったテジュは、昨日入手した情報について共有することに。ペク・ドヒョン(キム・ギュンハ)はすでに捕まったソ・ドンギュン、オ・ギョンス、ファン・インジュンと同じ家出ファミリーのメンバーで、リーダー格だといいます。さらにペク・ドヒョンらは、モーテル業界では有名な美人局(つつもたせ)の常習犯でした。黒幕のパク・ドヒョンなしで犯行に及ぶとは考えにくいと話すテジュでしたが、ウンソクはそれを否定。なぜなら現場周辺のドライブレコーダーには、ペク・ドヒョンの姿は映っていなかったからです。真実を突き止める為、ウンソクはテジュの反対を押し切って捜査を始めます。

家出ファミリー出身の少女たちのリストを手に入れたウンソクは、1人1人と会ってペク・ドヒョンに関する情報を収集。その後、ペク・ドヒョンのアジトと思われる場所に向かったウンソクは、そこに置かれたパソコンを調べようとします。しかし、背後から現れたパク・ドヒョンに見つかると、壁際に追い込まれるウンソク。もみ合いの末、奥の部屋に駆け込んだウンソクは、棚に飾られた被害少女のものと思われるスニーカーを見て愕然とします。ふたたびウンソクに襲い掛かろうとするペク・ドヒョンでしたが、そこへ警察が。

腕から血を流したまま裁判所へ戻ったウンソクは、グニに事件の担当は誰になったのかと尋ねます。自分が担当者だと答えると、これ以上は何も聞きたくないとグニ。するとウンソクは、今回の事件は氷山の一角に過ぎないと訴えます。

その後、ファン・インジュンの審理が行われると、ペク・ドヒョンを参考人として呼び出すグニ。ペク・ドヒョンはファン・インジュンが、日頃から他の2人の脅迫に怯えていたと証言します。しかし、裁判所側が手に入れた証言とは異なるとし、その場でソ・ドンギュンとオ・ギョンスの音声を聞かせるグニ。すると2人は、すべての犯行の主犯がペク・ドヒョンであること、そして今回の現場にもペク・ドヒョンがいたことを明らかにします。さらに証拠品として提出されたスマホには、おびただしい数の被害少女たちの写真が保存されていました。

最後に、グニは別室でこの様子を見守っていた被害者の少女に発言を求めます。するとマイクに向かって、「私の人生を返してください」と訴える少女。グニは今回の事件を保護処分ではなく、検察に逆送致し、ふたたび捜査を行うと判決を下します。さらにこれまでの自分の判決で辛い想いをした被害者に、改めて謝罪の言葉を口にするグニ。

その後、ウンソクの懲戒委員会が開かれますが、グニの働きかけもあって大事を逃れます。その日、ウンソクは箱にしまってあった息子の遺品を手に取り、涙を流します。

第10話感想

最後はグニが判事として正しい決断を下し、スッキリとしたエンディングに!

集団暴行事件にもう1人黒幕がいたと聞かされたウンソクは、それが5年前に息子を死に追いやった少年だと知り、驚きを隠せません。ペク・ドヒョンと対峙したウンソクが「他のみんながどうであっても、お前だけはこんな風になってはいけなかった…」と言ったセリフが印象的でした。まさか機会を与えた2人ともが、全く反省せずに今も犯行を繰り返していたとは。ウンソクにとって、これほどショックなことはないでしょう。

そして、5年前に2人に甘い処分を下したグニに対して、真っ向から非難するウンソク。ウンソクの歯に衣着せぬ物言いに、思わず胸がスカッとしました。ウンソクの訴えにより、最後にはグニも心を改めることに。

全話を通して、大人として色々と考えさせられることが多かった本作。少年法の在り方や少年犯罪の実態など、まだまだ問題は山積みだと感じさせられました。

裁判を終えたテジュが、どうして彼らがここまで手の付けられない状態になってしまったのかとボヤく場面がありました。そんなテジュに向かって、「子供を1人育てるには、村全体の力が必要だと言う言葉がある。言い換えれば、村が子供を無視すれば、子供はそれ以上育たないということだ。」とウンソクは言います。本当にその通りだと思いました。親や周囲の関心は、子供にとって何よりも大事なのです。

そんななか、エンディングでは第1話に登場した少年がふたたび法廷へ。シーズン2を予感させるラストとなりました。ぜひ、シリーズ化に期待したいです!



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