2023年放送 全10話 genie TVオリジナルドラマ 악인전기
neroさん |
第9話視聴率0.712
第9話あらすじ
サングク(ソン・ヨンチャン)を殺してしまったドンス(シン・ハギュン)は、悪夢にうなされる。サングク失踪のニュースは新聞の一面を飾り、それを見たドンスの弟ボムジェ(シン・ジェハ)は、不安に思った。
これ以上正義を掲げるのは無意味だと考えたドンスは、正義論と書かれた書籍を処分。
その足でドヨン(キム・ヨングァン)を訪ね、次の任務はなにかとドンス。ドヨンの次なる狙いは、持続可能な事業「海上カジノ」だった。ドヨンはドンスに法律事務所を立ち上げるよう話す。するとドンスは、今後は取り分を現金ではなく株式で受け取りたいと言う。
父サングクの失踪がドヨンとドンスの仕業だと考えるヘジュン(チェ・ビョンモ)は、警察もあてにならないと考え、直接ドンスのアパートへ。しかし、もう以前のようなやられてばかりのドンスではなかった。
ヘジュンをアパートの死角へ連れて行くと、その首につかみかかるドンス。そんなドンスの姿を、心配で追いかけてきた妻ヘヨン(チェ・ジョンイン)が見てしまう。
一方、ホ・ヤンホ(ムン・ジンスン)の車から死んだパク・ジェイ(チェ・ユハ)のDNAが検出されたことを受けて、捜査は打ち切りとなる。車が発見されてたった一日でDNA鑑定が終わったことを不審に思うチョルジン(クォン・ヒョク)。
ドヨンに言われた通り法務法人“韓(ハン)”を立ち上げたドンスは、同じような手口で金を稼ぐ連中を次々に通報し、市場を独占していった。
その一方で、ひそかにドヨンを潰す計画を立てるドンス。ユサン派と対立するシック派のボス・ジョンハ(チェ・ミンチョル)を呼び出したドンスは、ハウスをすべて譲る代わりにドヨンを処理して欲しいと持ちかける。
これまで何度もドヨンを殺そうと部下を送り込んだジョンハだったが、そのどれも失敗に終わってしまったという。そんなジョンハに、「方法があるとしたら?」とドンス。
しかし、ドンスとジョンハが密会していたことをいち早くつかんだドヨンは、2人を同じ場所に誘い、圧力をかける。これに怖気づいたジョンハは、早々に手を引いてしまう。
先日の一件を不安に思ったヘヨンはボムジェに会いに行き、事情を尋ねた。ドンスから事務所に来るなと言われたことが引っかかったボムジェは、ドンスの法律事務所へ。ドンスが今もなおドヨンと組んで犯罪行為を繰り返していると知ったボムジェは、愕然とした。
もういい加減ドヨンとは手を切るよう必死に訴えるボムジェ。しかし、ドンスはすべて自分の選択だったと話す。
変わり果てた兄の姿に失望したボムジェは、警察署の前でチョルジンを待つ。ところが、いざチョルジンの顔を見ると、その場から逃げ出してしまう。
アパートの前でドンスとすれ違ったチョルジンは、「ソ・ドヨンとは今も親しくしているんですか?」と声をかける。そして、「弟さんが苦しんでいる。ソ・ドヨンもいいが、家族のことも気にかけてやって欲しい」とチョルジン。
相変わらずジョンハとは連絡がとれず、しびれを切らしたドンスは音声メッセージを残す。「私の提案を受けようが受けまいが関係ない。ソ・ドヨンはあなたを殺すだろう。選択の余地なんてない」メッセージを聞いたジョンハは、思わず舌打ちした。
しきりに道を外れようとするドンスが心配なボムジェは、これまで違法賭博サイトで儲けた金を持ってドヨンのもとへ。金はすべて返すから、ドンスを解放して欲しいとボムジェ。そんなボムジェに、ドヨンは「そのつもりだ」と一言。
その日の夜、海上カジノのレセプションパーティーに参加するため海上へ向かうドンスだったが、入り口で門前払いを食らってしまう。これには動揺を隠せないドンス。
一方、通報を受けて警察が向かったのは、ボムジェの家。捜索の末、物置からムン・サングクの遺体が見つかる。こうしてボムジェは、殺人の容疑で緊急逮捕されてしまうのだが…。
第9話感想
ボムジェの家の物置から見つかったのは、なんとサングクの遺体!
これは困った展開になりました。まさかボムジェの家でサングクの遺体が見つかるとは、、ドヨンはドンスの弱点が家族であることを、誰よりもよく知っているようです。ついに敵対することとなったドンスとドヨン。果たして、その軍配はどちらに・・?
弟のボムジェが容疑者として逮捕された以上、ドンスは自らの罪を告白するような気がします。しかし、そうなればドヨンの思うつぼ。ドンスは計画通りドヨンを処理することができるでしょうか。
第9話では、次第に自らも「悪」と化していくドンスを見て、心配する家族の姿が描かれました。ボムジェとしてはドヨンを紹介したのが自分であることから、罪悪感もあるでしょうね。ドンスが言った通り、どんな形であれドンス自身が選んだ道なのですが、、
最終話を目前に控え、まったくラストが予想できない展開となりました。勝つのはドンスか、それともドヨンか。どちらにしても、最後まで激しい攻防が予想されます。
第10話視聴率1.410
第10話(最終回)あらすじ
署に連行されたボムジェは、弁護士としてやってきた兄ドンスに「昼間ソ・ドヨンと会った。ムン・サングクを殺したのが誰か、兄さんに聞けって」と話す。
ドンスはサングクを殺したのが自分であることを最後まで明かそうとしなかったが、その表情だけでボムジェはドンスが犯人だとわかった。そして、自分でなければドンスが捕まるだけだとし、自分がサングクを殺したことにすればいいとボムジェ。
このままボムジェを刑務所に入れるわけにいかないと考えたドンスは、チョルジンに助けを求める。
ドヨンからジェイを監視するよう言われ、その過程でドヨンがジェイとヤンホを殺すのを見たと話すドンス。さらに自分とボムジェがアリバイを作り、遺体を遺棄したことを明かした。
なぜ今になってこの話をするのかと聞かれ、サングクを殺したのが自分だと明かすドンス。すべてが終われば自ら出頭すると告げ、今はドヨンを捕まえるのが先だとドンスは言う。
ところが今度は、自分がサングクを殺したと自供するボムジェ。犯行状況の供述などから、ボムジェが兄をかばって嘘をついているのは明らかだった。ドンスが自白したことを告げ、このまま身代わりになるつもりかとチョルジン。
そんななか、ヤンホの遺体が今もドヨンの家の庭に埋められていると知ったチョルジンは、なんとかしてその証拠をつかむ必要があると話す。そんなチョルジンに、「今夜遺体を動かすと聞きました」とドンス。
これを受けて、チョルジンは一人でドヨンの家に忍び込む。
その頃、ドヨンもまた自分を裏切ったシック派の連中とドンスを処理しようと動き出していた。腹心のオジェ(ペ・ナラ)にシック派のアジトを討てと命じるドヨンだったが、アジトには誰もおらず。引き返そうとした瞬間、オジェらを乗せた車は爆発に巻き込まれた。
連絡のつかないオジェを不審に思うドヨン。そんなドヨンの前に、刃物を持った複数の男たちがあらわれる。
次々と襲いかかる刺客を倒し、なんとか生き残ったドヨン。そこへ、騒ぎを聞きつけたチョルジンが現れる。状況を見て、すぐさま応援を呼ぶチョルジン。チョルジンがヤンホの遺体を探しに来たと知ったドヨンは、「ハン・ドンスにハメられたな」と嘲笑った。
次の瞬間、背後から現れた男に刺されてしまうチョルジン。これを見たドヨンは、ハメられたのがチョルジンだけでないことに気づきハッとする。
ドヨンが察した通り、これらはすべてドンスのシナリオだった。最初からジョンハがドヨンを処理できないことを想定していたドンスは、ドヨンの仕業に見せかけて刑事を殺させることで、捜査の目がドヨンに向けられるよう仕向けたのだ。
計画通りドヨンは警察を殺した容疑者として指名手配され、ボムジェは釈放される。
ところが、ドヨンの自宅へ行くと言っていたチョルジンが現場で殺されたと知り、それがドンスの仕業だと悟ったボムジェは、そんな兄を軽蔑した。
ボムジェだけでなく、妻のヘヨン(チェ・ジョンイン)もまた、すっかり変わってしまったドンスを不審に思い、家を出て行ってしまう。
しばらくして、ボムジェからの連絡に気をよくするドンスだったが、電話の相手はボムジェではなくドヨン。慌てて指定された住所へと向かったドンスは、血だらけになって倒れるボムジェを見て愕然とした。
さらに物陰に隠れていたドヨンにわき腹を刺され、倒れこむドンス。隙をついて拳銃を取り出したドンスは、ドヨンに向かって発砲する。
ドヨンが動かなくなったのを確認して急いでボムジェのそばに駆け寄るも、すでに重体だったボムジェは間もなく息を引き取った。これに絶望したドンスは自らのこめかみに銃口を向けるが…。
それから3年後、違法賭博サイトを摘発し、弱者の味方として名を馳せるドンス。人格者として政界進出も期待されるドンスだったが、その裏ではドヨンの仕事を引き継ぎ、シック派を率いて金儲けにいそしんでいた。
金と権力、そして名声までもを手に入れたドンス。しかし、その隣にはかつての家族の姿はなく…。‐完‐
第10話(最終回)感想
結局、正義ではなく悪を選んだドンス・・
ドンスが隣人のチョルジンまで巻き込むとは、正直予想外でした。チョルジンを殺し、その罪をドヨンに着せたドンス。
チョルジンは本気でドンスとボムジェを救おうと手を差し伸べてくれたのに、これはあんまりですね。それにチョルジンはドンスの隣人であり、姪の友人の父でもあるというのに。
さらに、てっきり自らも自殺を図ったのかと思われたものの、やはり一度手に入れた名声を簡単に捨てきることはできなかったようです。こんな姿をボムジェが知ったら、どう思うでしょうか。
結局、罪のない人だけが犠牲になってしまい、なんとも残念なエンディングとなりました。
キレイごとだけでは終わらない所が、ある意味リアルかもしれません。犯罪や裏の世界をテーマにした映画は有名な作品がいくつかありますが、ドラマでここまで本格的なノワール作品は珍しいのではないでしょうか。
シン・ハギュンとキム・ヨングァンの演技も圧巻で、すっかり引き込まれてしまいました。面白かったです。
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