未成年裁判 3話・4話 あらすじと感想

未成年裁判


未成年裁判 2022年放送 全10話 Netflixオリジナル

neroさん

第3話あらすじ

しんしんと雪が降りしきるなか、1人の少女が裁判所へ向かって歩いて行きます。ウンソクがドアを開けると、力尽きてその場に倒れこむ少女。少女は以前、ウンソクらと食事会に参加したソ・ユリ(シム・ダルギ)でした。

病院の入り口で受付を済ませてウンソクとテジュが中へ入ると、すでに刑事らの姿が。病院スタッフは暴行被害が疑われる患者に関して、警察への通報が義務になっていると説明します。ユリの両親はユリが幼い頃に離婚、祖父は認知症を患って施設に入所していることから、家庭内暴力の可能性はないとテジュ。

看護師の話によると、ユリが暴力を振るわれたのは今日が初めてではないだろうといいます。しばらくして、目を覚ましたユリに何があったのかと尋ねるウンソク。「何もなかった」と答えるユリでしたが、ウンソクは裁判所まで来たのにはそれなりの理由があったのだろうと考えます。

翌日、ウンソクは事実関係を確認するため、ユリが働く美容室へ。店長の話では、ユリの勤務態度は決して良好ではなかったといいます。朝から夜遅くまで仕事漬けだと聞いていたウンソクは、美容室側の労働基準法違反を疑いますが、それはないと店長。店を後にしようとしたウンソクに、従業員の1人が声をかけます。慎重に話を切り出した従業員の女性は、何度かユリを訪ねて中年の男が店に来ていたといいます。恐らくユリの顔にできたアザは、その男によるものだろうと女性。さらに2人の関係は、はたから見ると援助交際のように見えたというのです。

その後、病院へ向かったウンソクは、改めてユリに暴行の事実と店に来ていた男について尋ねます。しかし、相変わらず何も語ろうとしないユリ。さらにはユリの祖母までも、うちの孫はよく転ぶんだとごまかす始末。

ユリと祖母の態度を不審に思ったウンソクは、ユリの祖父が入所する施設へ足を運びます。そこでウンソクは、ユリがなぜ朝から夜遅くまで連絡がつかなかったのかを知ることに。ヘルパーの話によると、ユリはほぼ毎日、祖父の病室に姿を見せていたというのです。ユリを見るからに不良少女だと話すヘルパーに、本当に不良であれば毎日見舞いには来ないだろうとウンソク。さらにユリの父親について尋ねると、ヘルパーは病院に何度か金をせびりに来たことがあると話します。その瞬間、美容室で目撃された男がユリの父親であると気付くウンソク。するとウンソクのもとへ、警察から連絡が。

ユリの父親がユリを探していると知ったウンソクは、ユリを虞犯(ぐはん)少年として隔離しようと考えます。しかし、これを知ったテジュは猛反対。そんななか、ユリが入院先の病院から姿を消したとの連絡が入ります。

病院を抜け出したユリが向かったのは、友人のもと。しかし、友人らは最初から金を奪う目的でユリを呼び出したのでした。ユリの祖父が入院する病院から連絡を受けてテジュが駆け付けると、そこには友人らから暴行を受け、涙を流すユリの姿が。なぜ自分だけこんな目に遭うのかと嘆くユリに、父親を訴えようと説得を試みるテジュ。しかし、父親の復讐に怯えて暮らすなんて耐えられないと、ユリはそれを拒否。そこへウンソクが現れると、病院を抜け出して非行少年らと会っていたことによって、ユリを虞犯少年として送致するといいます。これには納得のいかないテジュでしたが、ウンソクの考えは変わらず…。

裁判当日、法廷にはユリとその父親の姿が。最後までユリに対する暴力を“しつけ”だと主張するユリの父。そんな父親に向かって、「しつけが必ずしも悪い訳ではありません。でもこれはしつけではない。」と厳しい口調でウンソクは言います。

第3話感想

カッとなったユリの父親が傍聴席で見守るユリの祖母に掴みかかると、それを止めに入ったテジュが危うくユリの父親を絞め殺しそうになります。一瞬、自らの感情を制御できなくなったように見えたテジュ。ウンソクの一言でハッと我に返るテジュでしたが、彼にもまた、消し去りたい悲しい過去が…。

第3話では、テジュ自身も実の父親から激しい暴力をうけて育ったことを予想させる回想シーンが登場。ユリを虞犯少年として隔離させると言うウンソクに対して、ユリは被害者であり、隔離ではなく保護すべき子だとテジュは訴えました。虞犯(ぐはん)少年とは、その環境や性格から将来的に犯罪を起こす可能性がある未成年のこと。結局、ウンソクが強制的にユリを送致したのには、「父親の暴力からユリを守る」というまっとうな理由があったからなのですが、なかなか大胆な決断でした。

非行少年を嫌悪し、彼らが更生することなどないと考えるウンソク。そして、非行少年にかつての自分を重ね、手を差し伸べようとするテジュ。もちろんどちらが正解というわけではなく、どちらも必要な存在ではないかと思います。

ドラマを通して色々と考えさせられることが多い本作。少年法の在り方や、未成年者の犯罪など、世の中で起こっている様々な問題について、いま一度目を向ける必要があると感じました。

第4話あらすじ

ウンソクはユリの父親に家族への接近禁止命令、親権制限、アルコール依存症治療相談命令、そして監護施設への入所等の判決を下します。判決結果を聞いたユリは、隣に座る祖母と抱き合って号泣。法廷を後にしたウンソクにテジュは、最初から正直に話してくれれば誤解することもなかったと抗議します。そんなテジュに、「これは私の裁判だ」とウンソク。

その日、テジュが屋台で1人で飲んでいると、ウンソクがやってきます。酒を一口飲んで、血は争えないようだと呟くテジュ。実はテジュの父もまた、ユリの父親のように酒に酔ってはテジュに暴力を振るったといいます。そして、耐え切れなくなったテジュはついに自らの手で父を殺害…。

自分の過去が嫌だと語るテジュに、ウンソクはテジュのおかげでユリの祖母を説得することができたと話します。判事を目指したのは、非行に走ろうとした自分をまっとうな道に導いてくれた、当時の担当判事の存在が大きかったとテジュ。

数日後、ウンソクはテジュとウォンジュンと共に、プルム青少年回復センターの視察へ。青少年回復センターとは、少年院に送るほどの重犯罪ではないものの、自宅へ帰すには不安が残る非行少年らを一時的に預かる施設のこと。なかでも今回ウンソクらが視察に訪れたプルム青少年回復センターは、ヨンファ裁判所の最初の委託施設でもあり、センター長のオ・ソンジャ(ヨム・ヘラン)は青少年心理相談の一人者だといいます。

センターに到着したテジュのもとへ、裁判所から連絡が。なんとプルム青少年回復センターで、児童虐待と支援金の不正使用に関するタレコミがあったというのです。それを聞いたウォンジュンは、どうせ退所を求める家族側のデマだろうと一蹴。ウォンジュンが別件でセンターを後にしたのち、ウンソクとテジュは予定通りセンターの内部調査を行います。面談で少女たちの口から語られたのは、耳を疑うようなセンターの実状でした。

その後、ソンジャからも同じように話を聞くことにしたウンソクとテジュ。少女たちが口々にセンター長から虐待を受けていると主張するなか、とんでもないと憤るソンジャ。するとウンソクは、最初から少女たちの発言が嘘だと気付いていたと語ります。しかし、調査の過程で明らかになったのは、施設の支援金が不正に使用されたという事実でした。支援金の横領は立派な犯罪行為であり、場合によっては委託を解除する可能性もあると告げ、センターを後にするウンソク。

センターからの帰り道、ウンソクはテジュと一緒に集団暴行によって入院する少女の病院へ。すると少女は、ソンジャが不正に使用した支援金が自分の手術代であったことを明かします。加害者の保護者らは暴行の事実を認めようとせず、代わりにセンター長が支援金の一部を使って手術代を工面してくれたと話す少女。さらに少女は、センターに来て初めて人間らしい扱いを受けたと涙ながらに語ります。

少女の話を聞いてふたたびセンターへ車を走らせるウンソク。その頃、病院に残ったテジュは部長判事のウォンジュンに連絡を入れますが、電話は繋がりません。すると病院の外にいたテジュの前に、1台の救急車が。なんと運ばれてきたのは、他でもないソンジャでした!

一方、センターに戻ったウンソクは、激しく荒らされた施設内を見て驚愕。奥に入ると、そこにはソンジャの娘アルムの姿が。アルムからソンジャが倒れて病院に運ばれたと聞いたウンソクは、耳を疑います。そんなウンソクに向かって、「すべてあの女たちのせいだ」とアルム…。

第4話感想

非行少女たちを預かる回復センターで起きた悲劇!

第4話では、少年院に送るのをためらわれる少年少女たちを一時的に預かる施設、青少年回復センターが登場しました。荒れ散らかった施設内に戻ったウンソクは、そこでソンジャの娘アルムを発見します。実はセンターをめちゃめちゃにしたのは、他でもないアルムでした。さらに裁判所にプルム回復センターの不正を通報したのも、アルム。

母親が倒れたのも何もかもすべて、非行少女たちのせいだとアルムは言います。ソンジャが自分の娘たちは二の次で施設の少女たちを気に掛ける姿に、憤りをつのらせるアルム。アルムの気持ちも十分理解できるなと感じました。だからといって、それとこれとは別問題。非行少女たちが逃走したとなれば、センター長であるソンジャの責任問題にもなりかねません。果たしてウンソクは、逃げ出した少女たちを無事に見つけ出すことができるのでしょうか。

センター長のソンジャを演じるのはヨム・ヘラン。「トッケビ」での憎たらしい叔母役の印象が強く、今回も悪役か?と疑ってしまいましたが、実際は行き場を失くした少女たちを誰よりも気にかける心優しいセンター長だということが明らかになり、ホッとしました。

そして第4話のラストには、ウンソクのアパート前に立つ謎の男性の姿が。ウンソクとこの男性の関係とは一体…?いまだに語られていない、ウンソクの過去も気になります。なぜウンソクは、非行少年を憎むのでしょうか。。



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